韓国の歴史と自然を感じよう!15の世界遺産まとめ

観光

韓国の歴史と自然を体感するなら世界遺産を回るのもおすすめ。今回は韓国にある15の世界遺産をご紹介します。ソウルにある観光で立ち寄りやすい世界遺産から、少し足を伸ばして楽しみたい地方の世界遺産まで。古代王朝の遺跡から、壮大な自然風景、そして人々の生活に根ざした伝統を体感してみましょう。

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ソウルにある世界遺産

世界遺産

首都・ソウルは、ショッピングやグルメなど都会的なイメージの強い都市ですが、実は世界遺産も3つ存在しています。地下鉄やバスでアクセスできるので気軽に立ち寄ることができます。

昌徳宮

昌徳宮

昌徳宮(チャンドックン)は、朝鮮時代に王族のための離宮として建設された後、政治の中心地としても機能した重要な場所です。ソウルの中心地に位置しながら朝鮮時代にタイムスリップしたかのような雰囲気に包まれる宮殿です。

広大な敷地がありますが、中でも「秘苑」は美しい四季が感じられる庭園として知られています。朝鮮時代の建築美と自然の調和が見事に組み合わさったスポットとなっています。

宗廟

宗廟

宗廟(チョンミョ)は、朝鮮時代の儒教思想を基盤とした国教の影響を色濃く反映した場所です。位牌が新たに安置されるたびに増築された結果、非常に横長の構造をしており、単一の木造建築物としては世界最長を誇ります。この宗廟の重要性は、その建築的特徴だけに留まりません。毎年5月には、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「宗廟大祭」が開催されます。この大祭は、朝鮮王朝時代の儀式を忠実に再現したもので、古式ゆかしい王朝の絵巻を現代に蘇らせる見逃せないイベントです。

朝鮮王陵

朝鮮王陵

朝鮮王陵(チョソンワンヌン)は、朝鮮半島の豊かな自然を背景に、歴史的かつ文化的な意味を持つ場所です。これらの王陵は、封墳(土を盛り上げた墓)と祭祀空間が配置されていることが特徴で、朝鮮時代の王や王族の最終的な安息地として機能しています。遺跡としての価値はもちろん、現在でも儒教の礼法に基づいた祭礼が行われており、朝鮮の葬墓文化を今に伝えています。

ソウル近郊にある世界遺産

ソウルの近くの都市にも世界遺産がいくつかあります。ソウルから日帰りで行くことができるので、いつもとは違った韓国旅行を楽しみたい方にもおすすめです。

水原華城

水原華城

水原華城(スウォンファソン)は、朝鮮王朝後期に政争で悲運の死を遂げた父親を悼んで、第22代王である正祖(チョンジョ)によって建造された、深い歴史的背景を持つ城塞です。1794年に完成したこの壮大な建築物は、3年近い歳月をかけて築かれました。全長5.7kmに及ぶ城壁は、東西南北に位置する4つの大門、砲台、やぐら、楼閣など、41の建造物を含んでおり、これらの多くが今日までその姿を留めています。

南漢山城

南漢山城

南漢山城(ナマンサンソン)は、ソウルの南東に位置し首都を守るための重要な要塞としてその役割を果たしてきました。北漢山城(プッカンサンソン)と共に、ソウルの安全を守る砦としての重要性が高い場所として知られています。南漢山城は、標高500メートルの山々を利用して築かれ、東西南北の峰々を巧みに連結する形で構築されています。全長は約9キロメートルに及び、この壮大な城壁は現在、ソウル近郊のハイキングコースとしても親しまれています。

高敞・和順・江華 支石墓遺跡

高敞・和順・江華 支石墓遺跡

高敞・和順・江華の支石墓遺跡は、ソウルからアクセスが便利な仁川(インチョン)市にある江華島(カンファド)支石墓群は、韓国内で最も有名な支石墓の一つとされています。江華島では、高麗山の稜線沿いに約120基の支石墓が確認されており、その中でも特に有名なのが「江華島支石墓」です。この支石墓は「江華歴史博物館」と隣接しており、博物館訪問と合わせて遺跡を深く理解することができるため、特におすすめのスポットです。

地方にある世界遺産

ソウルやソウル郊外以外の地域にも世界遺産が多数あります。地方ならではの自然豊かな風景が楽しめるので、韓国の地方旅行に興味がある方はぜひ訪れてみてください。

石窟庵と仏国寺

石窟庵と仏国寺

石窟庵は、8世紀に建造された仏教寺院で、世界でも稀に見る芸術的かつ宗教的価値を持つ石窟寺院です。内部には巨大な仏像が安置されており、その精緻な彫刻は新羅時代の仏教美術の最高傑作の一つと評価されています。仏国寺は、石窟庵と同じく8世紀に建立された仏教寺院で、新羅時代の仏教建築の優れた例を示しています。特に仏国寺の大雄宝殿は、木造建築の美しさとともに、当時の仏教の中心地としての役割を今に伝えています。

海印寺大蔵経板殿

海印寺大蔵経板殿

海印寺大蔵経板殿は、世界最大の木版印刷集成である高麗大蔵経の板木が保存されている場所です。高麗大蔵経は、13世紀に高麗時代に作成された仏教経典の版木で、その数は約8万枚に及びます。これらの版木は、朝鮮半島の仏教の深い歴史と文化、また印刷技術の発展を象徴するものとして、非常に高い価値が認められています。

慶州歴史遺跡地区殿

慶州歴史遺跡地区殿

慶州(キョンジュ)は、千年以上にわたり新羅の首都として栄え、今日でも韓国を代表する観光名所の一つです。この地には、仏国寺や石窟庵といった有名な世界遺産だけでなく、数多くの歴史的遺跡が点在しており、それらは「慶州歴史遺跡地区」として世界遺産にも登録されています。この地区は遺跡の特性に応じて5つのエリアに分けられており、その中でも特に観光の中心となっているのが月城(ウォルソン)地区と大陵苑(テヌンウォン)地区の2つとなっています。

済州の火山島と溶岩洞窟群

済州の火山島と溶岩洞窟群

済州島(チェジュド)は、その自然の美しさと地質学的特徴で知られる島。島の中心を飾る韓国最高峰の漢拏山(ハルラサン)は、済州島の自然の象徴とも言えます。この火山は、火山活動によって形成された高さ1,950メートルの壮大な山で、その周辺は多様な地形と豊かな生態系を有しています。さらに、済州島には数多くの溶岩洞窟があり、その中でも万丈窟(マンジャングル)、湧泉(ヨンチョン)洞窟、タンチョムル洞窟、善屹里(ソヌンリ)ペンディ窟などは、その歴史的および地質学的価値から世界遺産として認められています。

韓国の歴史村 河回と良洞

韓国の歴史村 河回と良洞

安東河回(ハフェ)村と良洞(ヤンドン)民俗村は、韓国の伝統的な生活様式と建築美を今に伝える、貴重な歴史村です。14~15世紀に形成されたこれらの村は、韓国を代表する名門家系の同姓集落であり、数百年の歴史を有しています。瓦葺きや藁葺きの屋根を持つ伝統的な韓屋が並び、現在も子孫たちが先祖から受け継いだ伝統的な生活様式を守り続けています。ここを訪れるとまるで時間を遡ったかのような感覚に陥り、韓国の豊かな歴史と文化を肌で感じることができます。これらの歴史村を歩くことで、過去の韓国の日常生活に触れ、伝統と文化の継承がいかに大切にされてきたかを実感することができます。

百済歴史遺跡地区

百済歴史遺跡地区

百済歴史遺産地区には、古墳、寺院跡、城塞跡など、百済の栄華を偲ばせる多数の遺跡が残されています。これらの遺跡は、百済が持っていた政治的、軍事的、文化的な進展を今に伝え、訪れる人々に古代朝鮮半島の歴史に深く触れる機会を提供しています。公州の地域では、百済の最後の首都であった泗沘(サビ)の遺跡が中心で、扶余には百済初期の都城跡や王陵が、益山には重要な文化財がそれぞれ位置しています。これらの地域は、百済の歴史を理解する上で欠かせない場所となっており、古代朝鮮の政治、文化、宗教の発展を具体的に学ぶことができます。

山寺、韓国の山地僧院

山寺、韓国の山地僧院

韓国の山地に抱かれた7箇所の山寺は、仏教が盛んだった7~9世紀の三国時代から統一新羅時代にかけて建立された、世界遺産に登録された貴重な歴史遺産です。これらの寺院は、韓国仏教の精神的な根幹をなし、当時の仏教文化の豊かさと精緻さを今に伝えています。

中でも特に注目されるのは、釜山から近い位置にある通度寺(トンドサ)、木造の五重塔で知られる法住寺(ポッチュサ)、そして春麻谷(チュンマコク)、秋甲寺(チュガッサ)で春の絶景が名高い麻谷寺(マゴッサ)です。これらの寺院は、それぞれが独自の魅力と歴史的価値を持ち、韓国の仏教文化と自然の美しさを象徴しています。

韓国の書院

韓国の書院

韓国の書院は、16世紀中頃から17世紀中頃にかけて創建された、全国に点在する9箇所の私立儒教教育機関であり、現在ではその価値が認められ「韓国の書院」として世界遺産に指定されています。書院の中でも、特に有名なのが安東にある陶山書院(トサンソウォン)です。この書院は儒教の大家である退渓(テゲ)李滉(イファン)によって創建されたもので、その教育の精神と建築美は、かつての1,000ウォン札の図柄にも採用されるほど高く評価されています。

韓国の干潟

韓国の干潟

韓国の干潟は、国内で2件目のユネスコ世界自然遺産に指定されました。この干潟群は、韓国の西南部に広がり、忠清南道の舒川、全羅北道の高敞、全羅南道の新安と宝城・順天の4か所に位置しています。これらの地域は、その生態系の重要性と生物多様性の保護のため、全て湿地保護地域に指定されており、一部は国際的な湿地保護条約であるラムサール条約にも登録されています。

韓国の干潟は、豊かな生態系を構成しており、多種多様な生物が生息しています。中には絶滅危惧種に指定されているワタリドリもいるため、これらの干潟の保護は、特定の種だけでなく、世界的な生物多様性の保全にとっても極めて重要とされています。

韓国の世界遺産まとめ

今回は、韓国の世界遺産についてご紹介しました。韓国国内にある世界遺産は15。韓国の文化や自然が感じられ、韓国についてさらに深く理解することができる場所が目白押しです。

韓国の世界遺産は地方だけでなく、ソウルやソウル近郊にもあるので旅行の際に訪れてみるのもおすすめです。ぜひ気になる世界遺産があれば行ってみてくださいね。

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